平成26年空家実態調査結果

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国土交通省は、全国の空き家(戸建て住宅)の管理状況などを把握するために行った平成26年度実態調査の結果を発表しました。

 

 

空き家問題がマスコミなどで取り上げられる中、話題先行で、実際はどうなの?という事が多いのですが、今回の実態調査結果の内容はなかなか興味深いですね。

 

 

けっこう、詳細な数値は別として、おおまかなところ「そうそう」っていう回答が多いのかなという感想です。

 

 

 

 

 

平成26年空家実態調査 調査結果の概要のポイント

 

調査を実施した戸建て空き家等の状況

調査時点での居住状況・利用状況等

 

  • 調査を実施した戸建て空き家等のうち、調査時点で人が住んでいるものは約3割(31.3%)。
  • 一方で、人が住まなくなってから5年以上経過しているものは約1/3(36.4%)。
  • 調査時点で人が住んでいない戸建て空き家等の利用状況は、一時現在者のみ・二次的住宅(昼間だけや週末・休暇時などに所有者等が利用している住宅)が40.7%、賃貸・売却用の住宅が11.0%、その他の住宅(物置、長期不在、取り壊し予定の空き家等)が42.0%。
  • 建築時期が古いほど、その他の住宅の割合が総じて大きい。(総数:42.0%、「昭和25年以前」:54.1%)。

 

調査を実施した戸建て空き家等の属性等

 

  • 調査を実施した戸建て空き家等の建築時期は、昭和55年以前(旧耐震基準時代)のものが約6割(62.3%)。
    調査時点で、その他の住宅(物置、長期不在、取り壊し予定の空き家等)の状況にあるものでは約3/4(74.6%)。
  • 調査を実施した戸建て空き家等の腐朽・破損の状態については、人が住んでいないもの全体で約5割(46.7%)に腐朽・破損があり、うちその他の住宅では約6割(58.9%)に腐朽・破損がある。
  • その他の住宅の腐朽・破損の状態を建築時期別にみると、建築時期が古いものほど、腐朽・破損がある割合が大きい。(総数:58.9%、「昭和25年以前」:75.8%、うち約7割の50.0%に屋根の変形や柱の傾きなど建物の主要部分に不具合が生じている。)

 

 

 

調査時点で人が住んでいない戸建て空き家等の状況

 

所有者の属性等

 

  • 所有者の年齢は、高齢者(65歳以上)が55.6%を占めている。
  • 所有者の自宅等から戸建て空き家等までの距離は、1時間以内が全体の約2/3(67.0%)を占めている一方で、 「車・電車などで3時間超~日帰りが不可能」の割合は11.0%となっている。

 

住宅を取得した経緯

 

  • 住宅を取得した経緯は、「相続した」(52.3%)、「新築した・新築を購入した」(23.4%)、「中古住宅を購入した」(16.8%)の順になっている。
  • その他の住宅では、「相続した」の割合が最も大きく、建築時期が古いものほど、「相続した」の割合が総じて大きい。(総数:52.3%、「その他の住宅」:56.4%、「昭和25年以前」:78.7%)

 

 

管理状況

 

  • 戸建て空き家等の主な管理者は、所有者やその親族が全体の約4/5(81.7%)を占めている。また、「不動産業者、建築会社、管理専門業者など」は2.0%と割合が小さい。
  • 管理の頻度が年に数回以下のものは約1/4(23.8%)。
  • 管理をする上での障害・課題は、「管理の作業が大変」が26.3%、「住宅を利用する予定がないので管理が無駄になる」が23.6%、「遠方に住んでいるので管理が困難」が21.4%などとなっている一方で、「障害や課題はない」の割合が28.1%となっており、所有者の自宅等からの距離が近いほど、「障害や課題はない」の割合が大きい。(総数:28.1%、「ほとんどかからない」:39.9%)
  • 専門業者への管理委託の希望は、「適当な業者がいれば委託したい」(5.2%)と「既に委託している」(3.6%)を合わせて8.8%となっている一方で、「委託するつもりはない」は77.2%となっている。

 

 

今後5年程度のうちの利用意向等

 

  • 今後5年程度のうちの利用意向は、「所有者やその親族が利用する」が22.9%、「賃貸する」が6.1%、「売却する」が8.8%、「空き家にしておく」が21.5%、「取り壊す」が11.2%などとなっており、その他の住宅では、「空き家にしておく」の割合が31.9%と大きいほか、「取り壊す」も18.4%と割合が大きくなっている。
  • 建築時期が古いものほど、「空き家にしておく」の割合が総じて大きい。(総数:21.5%、「昭和25年以前」:33.4%)
  • 賃貸・売却する場合の課題は、「リフォーム費用がかかる」(29.1%)、「設備や建具が古い」(27.2%)、「住宅が傷んでいる」(25.0%)の順になっている。
  • 空き家にしておく理由は、「物置として必要だから」(44.9%)、「解体費用をかけたくないから」(39.9%)「特に困っていないから」(37.7%)、「将来、自分や親族が使うかもしれないから」(36.4%)の順になっている。

※ 本調査は平成26年11月~平成27年2月に実施したが、対象は平成25年住宅・土地統計調査(平成25年10月1日現在)における戸建て空き家等から無作為に抽出した。