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2015.01.13

旧耐震住宅の建て替え助成 兵庫県、15年度から

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1995年 東灘区

神戸新聞(2015年1月13日付)1面に「南海トラフに備え制度見直し」「旧耐震住宅の建て替え助成」との大きな見出しで記事が掲載されていました。

 

今年は、あの阪神・淡路大震災から20年を迎えます。1月17日を目前に震災関連の記事、報道、そしてイベントなどが増えているようです。

 

あの日を思い出し、次に備えるいい機会でもあります。

 

 

さて、兵庫県では「わが家の耐震診断・改修促進事業」を通じて、住まいの耐震化に取り組んできましたが、なかなか成果を上げるのが難しい状況のようです。

 

阪神・淡路大震災で被害を受けた家屋は約64万棟、全半壊は約25万棟にも上ると報告されています。

 

そして、その被害の多くは、1981年5月(昭和56年)以前の旧耐震基準で設計された住宅(旧耐震住宅)に集中していました。

 

 

「あおぞら財団」の藤江徹事務局長が、神戸大学の学生だった地震直後、神戸市内の遺族にアンケートを行った結果が公表されています。

 

1218人から得た回答によると、60年以前(戦前40%、戦後~60年26%)に建てられた家で犠牲になったのが66%、61~70年が24%、71~80年が8%、全体の98%が旧耐震住宅で亡くなっていたとのことでした。

 

とにかく、危険性、リスクが高い旧耐震時代の住宅をなんとかしないといけない状況であることは明白なのです。

 

しかし、総務省による「住宅・土地統計調査」(2008年版)によると、兵庫県内にはまだ約45万棟の旧耐震住宅があり、耐震化を終えたのは5.8%にとどまっているという悲惨な状況です。

 

 

このような現実を踏まえ、県は、「現状の制度の限界は明らか。新たな仕組みで耐震化を促進したい」ということで、「1981年(昭和56年)5月以前建築の旧耐震住宅(既存不適格住宅)を建て替える場合、一定額を助成する新制度を2015年度から導入する方針」になったらしいです。

 

今までは、現在の安全基準を満たしていない住まいの耐震診断・改修のみを対象とされていましたが、一歩踏み込んで、建て替えも「耐震化」と捉えて助成するとのこと。

 

これは、大きな決断というか方向転換のようにも見えます。

 

 

県は自ら、「耐震診断から設計、工事に至るまでの制度が複雑な上、個人負担も大きいため、県内の耐震改修の実績は過去10年間で約3千件と低迷。」という説明をされているようです。

 

もし、そうなら複雑な制度を改善してより使いやすい制度に改めるほうが先だと思ったりしますし、自治体間のやる気や制度にも大きな差があるような気もします。

 

人口の減少も踏まえると今後は住宅が余る時代になっていくのは容易に想像できると思います。すでに「空き家」問題として毎日のように記事として取り上げられていたりする状況です。

 

そのような中、既存の住宅の「改修」ではなく(実際には継続されると思いますが)「新築」に助成するというのは、耐震化を促進するというよりは、経済の活性化策のようにも思えてしまい、なかなか複雑です。

 

現時点では、耐震改修の補助額が約80万円のため、建て替えの場合も同額程度の助成を検討されているようです。金額としてはとても大きな額なので、新築を考えられている皆様には、非常に大きなメリットのある制度であることは間違いないのですが、あくまで「建て替え」という条件がついてきます。

 

 

このように2015年度は耐震化に関して新しい一歩というか、少し仕切り直しをして進めていきましょうというのが県のお考えのようですが、できれば、引き続き、いや今まで以上に根気強く既存住宅の耐震化に取り組んでいただきたいと思っています。

 

そもそも新築を建てる、または既存住宅を建て替える資力のある方は、補助がなくても自力で耐震化が図られるのではないでしょうか。

 

やはり、耐震化について興味、やりたい気持ちがあっても、どうしてもそれだけの資力がない、どうしていいかわからないといった方々への支援策を検討、優先していただきたいと思います。

 

冒頭に書きました通り「制度が複雑な上、個人負担も大きい」という分析が県から示されていますが、それなら、ぜひ現行の制度をより簡潔に、利用しやすい制度に改めていただきたいと思います。

 

 

何か新築、建て替えへの助成を否定するような書き方になったかもわかりませんが、思いとしては、助成制度を手厚く行っていただけるのはいいことなのだけど、できればその制度を可能な限り利用しやすい制度にしていただいて、建て替えが難しい高齢者や単身者世帯のような方でも耐震改修、その他の備えができるような仕組みにしていただきたいですね。

 

完全な耐震化が無理でも屋根の軽量化や減築、部分補強などもやらないよりはいいはずです。

 

 

県では「高齢世帯など、建て替えや改修が困難な人も少なくないため、寝室だけを補強する「耐震ベッド」を新たに補助対象に含めるなど、制度全般を見直す。」とされています。

 

成果が見える形、そして公平性など、いろいろと難しい問題があるのはわかるのですが、ぜひ、ぜひ、このような柔軟な考え方を取り入れていただいて、今後の使いやすい耐震改修制度の実現、耐震化の促進に期待したいものです。

 

最後に、なんだかせっかく県ががんばって助成制度を用意してくださっているときに水を差すようなことを書いてしまい申し訳ないです。

 

少しでも耐震化が進むことを期待しているという点では同じだと思います。

 

せっかく制度ができたからには、ぜひ建て替えをご検討中の方はもちろん、耐震改修か建て替えかでご検討中の皆様もこの制度を有効にご活用いただければと思います。

 

 

 

 

【旧耐震住宅とは】

1981年(昭和56年)の建築基準法改正前に建てられた住宅。法改正で「震度6強以上でも倒壊しない」基準に強化された。旧基準は震度5程度の中規模地震を想定している。

 

 

 

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