丹波市の空き家対策 規制、活用両面から

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*写真は記事の内容とは関係ございません。

平成26年11月22日付神戸新聞の丹波篠山欄に「空き家対策 規制、活用両面から案 審議会で丹波市移住促進へ支援」という記事が掲載されていました。

 

丹波市は兵庫県の北東部に位置し、京都府とも接するまち。弊社が拠点とする篠山市ともお隣同士で同じ丹波地域に属するまちでもあります。

 

以前、この丹波市の審議会の第一回目が開催されたと記事を書かせていただいたことがありました、その後の経過報告ということですね。

 

丹波市内 空き家1238戸 : 2014年7月24日

 

 

この審議会は丹波市内にある空き家の適正管理と利活用を考える対策審議会ということになっています。

 

丹波市空き家等の適正管理及び利活用の促進に関する条例

 

 

11月21日に開催された審議会では、市が「規制、活用の両面から基本的な考え方と具体的な対策案を提示されたようです。

 

記事によると、丹波地域では空き家が急増しており、市内では5月の調査時点で1238戸。うち3割に崩壊の危険や防犯・環境の問題があるということでした。

 

 

市がこの審議会で提示した対策案は次のようなもののようです。

 

  1. 離れや納屋など附属建物についても解体撤去費用の一部を補助する。
  2. 移住・定住の窓口相談と希望者の目的に合った物件のマッチングを行う「定住促進センター(仮称)を設置する。
  3. インターネットによる情報発信。
  4. 空き家所有者とつながりが強い自治会、改修支援や就職相談ができる業者らと連携し、効果的な支援体制を構築する。

 

 

これに対して委員からも活発に意見が出されたようで、移住前に暮らしを体験できる期間を設ける。若者が働ける場所づくりも必要などの意見が出されたようでした。

 

次の審議会は来年1月末に開催されるようでした。

 

 

 

さて、今回提示された案を見てみると、他のまちと比べて特に変わったものがあるわけでもなく、いたって普通の案と言えますが、これはそれだけこの空き家問題に対して特効薬と言えるような具体策がまだまだ見出すことが難しい状況だということなのでしょう。

 

窓口相談や情報発信は、いくつもの事例がありますし、すぐにでも実行できる案であり、かつ必要なことだと思います。

 

ただ、窓口を設置しただけで、中身が全くなく、何も実績を上げることができていない空き家バンクも全国で山積しているようなので、ぜひ少し視点を変えた先進的なしくみとしていただければと思います。

 

 

解体撤去費の補助については、ほんとに取扱が難しいですね。何もしないでただただ空き家を放置していたものには補助があって、周囲に迷惑をかけてはいけないと、頑張って自力で維持管理、撤去した人には、何もないでは、やはり公正性といったところで議論がありそうな気がします。

 

そうは言っても、やはり自治体に何とかしてほしいというニーズもあるわけで、しばらくは試行錯誤が続くことになるのでしょか。

 

また、篠山市も含め丹波市でも田舎特有の母屋の他に納屋や離れ、その他車庫や物置といった複数の建物が同一敷地内に存在するのは珍しい状況でもないです。

 

今回の案で、母屋の他にこれらの建物の撤去にも補助を出せるようにするとした点には、意義はありそうな気がします。

 

 

あとは、やはり気になるのは、規制といえば修理や維持管理について指導したり、撤去を促すという内容になり、活用では空き家バンクなどを使って、新たな移住者を探したり、一部は店舗等にリノベーションすることに留まりそうです。

 

まずは、空き家にしないしくみ、そして現在空き家なのだけど、またはこれから空き家になりそうなのだけど、しばらくはその先の利活用策が決まらないといった場合に、「適正に管理」するための情報提供や支援策というのも何かできないものでしょうか?

 

放置されないしくみ、利活用策が決まるまでの中継ぎをうまく担うしくみづくりなどの支援策もとても大切なのではないかと思うのですが、どうも空き家問題についての議論(特に行政などでの)を見聞きしていると、この部分の検討が少ないように思われますがいかががでしょうか。

 

 

先日、解散直前ギリギリ状態の今国会で空きや対策法案が成立しました。

 

これから、仕切りなおしというか、新たに大きく一歩踏み出す形で空き家問題への対策案の検討が始まるような気もしますが、ぜひもう少し「管理」という視点にも光を当てていただければと思います。

 

 

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